令和7年の年頭に際し、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
組合員の皆様をはじめ、ご家族の皆さんには、健やかに令和7年の新春をお迎えの事とお慶び申し上げます。
日頃より、JA事業運営に対しご理解とご協力を賜り厚く感謝とお礼を申し上げます。
今年の干支は、巳年であります。蛇というと嫌われ者扱いされがちですが、一方では脱皮を繰り返して成長することから、その生命力の強さから「再生」「復活」「長寿」を象徴し、縁起のいい生き物ともされています。
過去には、1989年昭和から平成に変わるバブル経済の絶頂期、2001年には小泉純一郎の聖域なき構造改革の初年でもあり、2013年には第2次安倍政権による「アベノミクス」の本格的な始動となる年でした。さて2025年はどんな試練が待っているのか、喜びが舞い込むか皆さんの活躍に期待申し上げるところでございます。
さて、昨年の営農を振り返りますと、例年通り早い時期からの融雪期、植え付けが始まり、順調に作業は進み終了しました。6月に入ると天候の急変による大雨・降雹が心配になりましたが、比較的穏やかな天候となり、小麦や玉ねぎの収穫時期を迎えました。しかしながら、小麦に至っては夏場の高温と縞委縮病により、平年作を下回る結果となり、玉ねぎについては雨不足の影響も重なり一部小玉が目立ち、平年作を下回る結果となりました。
豆類、甜菜、馬鈴薯に関しては秋の天候に恵まれ順調な収穫作業となりましたが、甜菜の平均糖分が16%に届かない状況で、各資材が高騰している状況から、農業経営に甚大な影響が出てきています。
R8年度経営所得安定対策の価格の見直しも含め、再生産出来るよう政府に働きかけ、万全な対応がなされるよう強く求めていく必要があります。
酪農、畜産に於いても激変する世界情勢の変化に対して、JAグループ挙げて生産者が希望を持って営農が継続できる施策として、各種要請活動を積極的に展開して参りました。生乳に於いては、交渉のすえプール乳価120円を確保、生乳抑制から増産に踏み切る事が出来ました。引き続き脱脂粉乳の在庫対策・飲用乳消費拡大、更には牛乳・乳製品の安定供給と酪農経営の安定に向け、関係各位の協力を仰ぎながら取り組みを継続して参ります。
畜産に付いては枝肉の価格低迷、和子牛の補給金発動もあり、加えて配合飼料の高止まりにより農業所得に影響がじわじわと出てきています。R6年度補正予算では枝肉価格の維持に向け消費拡大対策が増額されていますので、適正価格になるよう期待する所です。
食料・農業・農村基本法が、四半世紀ぶりに改正になり、今年3月までに基本計画が作成される運びとなります。その背景には、激変する世界情勢により食糧・エネルギー・気象変化・海運と安定的に確保する事が困難に成ってきている事を踏まえ、食糧安全保障に資する構造転換を5年間で集中的に行う計画が示されました。内容については次世代の担い手が意欲を持って営農と向き合い、食料の安定供給という国民生活に欠かす事のできない極めて重要な役割を担っています。
その一方では、農業者の高齢化と組合員の減少、それに伴う労働力不足と生産現場の基盤は盤石とは言えず、国としても先を見据えた農業政策により安定的な供給が出来る体制を確立して行く事が問われています。
コロナ後、急激な物価高・資材高騰に農産物価格が追い付いていない大変に厳しい状況にありますが、組合員の皆様とJAが一体となり、第10次農業振興計画への取り組みと中期経営計画の達成に向け経営資源と生産機能の総力を結集し、役職員一丸となってJA運営に取り組んで参ります。
そのためにも、組合員の皆様には協同組合の意義や役割を振りかえって頂き、更なるJAに結集頂きますようお願い申し上げます。
今年も組合員、ご家族の皆様がご健勝で、災害、農作業事故も無く豊穣の1年であります様お祈り申し上げ、新年の御挨拶といたします。