2024年12月26日木曜日

令和7年度 新年挨拶 北海道農業協同組合中央会 代表理事会長 樽井 功

 新年あけましておめでとうございます。 
 組合員の皆様におかれましては、日々営農に更に邁進されておられることと存じます。
また、組合員・役職員の皆様が一丸となり地域農業の振興や地域社会の発展に向け、日頃より多大なご尽力をされていることに対しまして、改めて敬意と感謝を申し上げる次第であります。
 昨年の北海道農業については、春先から天候に恵まれ、各作物の生育は全般的に平年よりも早く進んでおりました。しかしながら、夏場は猛暑・豪雨による記録的な高温多湿の影響を受け、各作物等の収量および品質に影響が出た年となりました。
 近年、気候変動等による自然災害の多発や栽培適地の変化、国際紛争や急激な円安の進行による飼料・肥料をはじめとした生産資材の高止まりが農業経営に甚大な影響を与えており、農業・農村を取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。
 昨年には、四半世紀ぶりに食料・農業・農村基本法が改正され、現状に即した基本理念の見直しと、「食料安全保障の抜本的な強化」、「環境と調和のとれた産業への転換」等の実現が盛り込まれました。政府は、初動5年間を農業構造転換集中対策期間と位置づけ、施策を集中的に実行するとともに、今年3月に食料・農業・農村基本計画を策定するべく引き続き検討を進めております。
 JAグループ北海道としては、食料安全保障の強化と持続可能な北海道農業の確立のために、農地の確保および適正利用の強化、食料・自給飼料等の安定生産・供給と環境負荷軽減の両立に取り組みながら、それを後押しする力強い政策支援を求めていくことが重要と考えております。
 また、昨年は第31回JA北海道大会が開催され、「食料安全保障の強化と持続可能な北海道農業の確立」、「JAの組織基盤の強化と健全な経営基盤の確立」、「アグリアクション北海道の推進による農業・食・JAへの理解醸成」の3つの議案を決議いたしました。
 今後、議案の達成に向けて、組合員・JA・連合会が一丸となって、生産現場の行動変容と組合員の意思結集による農政運動、JAの経営管理の高度化やデジタル化の推進による業務効率化・生産性向上に取り組んでいかなければなりません。
 さらに、消費者の皆様には、JAグループ北海道統一の情報発信のフレーズである「アグリアクション北海道」を浸透させるとともに、効果的な情報発信により、今まで以上に農業・食・JAに対する理解を深めていただき、JAグループが提唱する「国消国産」の認知を広めてまいりましょう。
 結びになりますが、本年は巳年です。巳(ヘビ)は冬眠から目覚め地上に這い出すことから、冬に根をはった草木が芽を出し「新しい種子が生まれる」という意味があると言われ、転じて、巳年は力を蓄えていたものが芽を出す「起点」の年、脱皮する特性と併せ「再生と誕生」を意味する年だと言われています。
 この謂われにあやかり、本年が北海道農業の飛躍の起首となること、皆様のご多幸とご健勝をご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。